「死んだ人はどこに行くんだろう？」
母さんを亡くして以来、考えることはそればかりだ。
幽霊でもいい、母さんに会いたい。
全く気の抜けた状態になってしまった僕を見かねて、ある日、学生時代の先輩が電話をかけてきてくれた。
どうしたら母さんの幽霊に会えるんでしょう。
何気なく呟いた僕に、先輩は驚くべき提案をしてくれた。
これから幽霊話で有名なスポットを巡ろうというのだ。それも、美女で有名なスポットばかりだという。
「幽霊の話をしていると幽霊が寄ってくるって言うしな。」

どこかに活路を見いだせるなら、そう思い僕はその提案に乗ることにした。
様々な思いが残る、悲しい場所を巡る短い旅が始まった。